飯島クリニック

花粉症と上手につきあうためのQ&A

2019-01-26

近年、花粉症の患者数は年々急増し、今や全国で2,000万人と推定されています。原因となる花粉としては、春先に飛ぶスギ花粉が最も多く、全体の約80%を占めているといわれています。花粉症はアレルギー疾患なので、早期に完全に治すことは難しく、日常生活に大きな支障をきたします。

しかし、花粉を回避しながら薬剤を上手に用いて治療を行えば、花粉症をコントロールすることができます。

■花粉症とはどんな病気?
 花粉症とは花粉(アレルゲン)によるアレルギーのことで、症状は主に目と鼻に現われます。花粉症の原因は花粉(アレルゲン)です。花粉が目や鼻の粘膜(ねんまく)に接触することでアレルギー症状が現われます。毎年、樹木や草花の花粉が舞う季節に繰り返して起こります。


■花粉症はどんな症状が出るの?
 まず目のまわりがかゆくなり、まぶたがはれぼったくなり、結膜がはれます。重症になると結膜に浮腫(ふしゅ)が生じます(外から目が見えないくらいにはれる)。
かゆいので擦(こす)ったり、かいたりするとさらに悪化し、結膜(けつまく)や角膜(かくまく)を傷つけ、目がゴロゴロしたり、かすんだり、まぶしく感じたり、痛みが出たりします。ときには涙の洪水に襲われます。このほか鼻、のど、気管支、胃腸にもさまざまな症状が現われ、全身の倦怠感(けんたいかん)や発熱が出る場合もあります。


■花粉症の原因となる植物と、花粉が舞い飛ぶ時期は?
 花粉は、風によって飛ばされ、花粉症の原因となります。代表的植物はスギ、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギなどです。

 


■花粉症の生活上の注意は?
 花粉が飛ぶ季節に入ったら花粉からなるべく遠ざかるようこころがけましょう。
〈身に降る花粉は払わねばならぬ〉
花粉の飛散時期には花粉から遠ざかることが第1です。現実には花粉の完全シャットアウトは不可能なので、次の「生活上の注意点6か条」に留意して、医師の指示に従いましょう。

 

■生活上の注意点6か条
1 外出はなるべく避けましょう
2 マスク、眼鏡、帽子、マフラーを着用して花粉を遠ざけましょう
3 花粉を家の中に入れないようにしましょう
4 ファストフードや加工食品の摂りすぎに注意し、バランスのとれた食生活に改善しましょう
5 たばこやお酒、刺激性の強い香辛料などの摂取は控え目にしましょう
6 皮膚を鍛え、ストレスをなくすよう心がけましょう

 

■花粉症の薬物治療はどうするの?
 花粉症の症状が出たら、悪化しないように対症療法をきちんと行います。
対症療法に用いる薬剤としては、抗アレルギー薬のヒスタミンH1拮抗薬とメディエーター遊離抑制薬、副腎皮質ステロイド薬などがあります。これらを医師の指示に従って点眼、点鼻または内服します。
 ヒスタミンH1拮抗薬はかゆみを引き起こすヒスタミンの作用を直接阻止するので、主にかゆみのある時に処方されます。メディエーター遊離抑制薬はヒスタミンなどを増やさないようにする作用があり、効果が現れるまでに2週間くらいかかります。そのため、花粉が飛散する2週間くらい前から点眼を開始し、飛散期間中の症状を軽減するという治療法によく使われています。

・副腎皮質ステロイド薬
 薬の効果という点だけ考えると、ステロイドは非常に強力な症状の改善効果を示します。花粉症だけでなくアトピー性皮膚炎、気管支喘息、さらにリウマチなどにも使われている薬です。ところが効果の反面、副作用も強いので長期間使っていると副作用によってさまざまな異常が現われ、花粉症より深刻な病気になってしまう場合もあります。
 薬を点眼または内服して症状がおさまったからといって花粉症が治ったわけではありません。ただし根気よく治療を続けると、次第にアレルゲンに反応しにくくなり、症状が軽くなっていきます。医師の指示に従ってきちんと治療を受けることが大切です。

 

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